クロノ4が当初とほとんど変わらない姿でいられるのは、ムーブメントの構造によるところが大きい。極めて複雑ながらも熟考されており、今日まで抜本的に見直す必要性が生じていない。筆者は当時、やや懐疑的だった。なぜなら、いくつもの輪列を持った複雑な構造のクロノ4は発売されたばかりで、長期の使用に耐える堅牢さを備えているか否か、まだ立証するに至っていなかったためだ。もちろん、現在に至るまでにムーブメントはモディファイされており、かつてCal.EB. 200だったムーブメントが、今ではCal.EB.251 12 ½となっていることがそれを物語っているが、根本的な原理は当初と変わってはいない。
エベラールは、クロノ4において技術よりもデザインを優先している。ベースムーブメントは、ETAのCal.2894-2(現在も同様)だが、4つのサブダイアルのうち、基となったムーブメント本来の位置に配置されているサブダイアルはひとつもなく、クロノグラフ積算計とスモールセコンドのセットに、24時間表示が追加されているものだ。左から右へ、30分積算計、12時間積算計、24時間表示、一番右にスモールセコンドが配置されている。これを実現するために、Cal.2894-2には輪列経由で動力を伝達するモジュールが加えられた。香箱から針までの距離が長くなることから、理論上、より大きな動力が必要となるが、主ゼンマイはそれほど拡大されていない。その代わり、摩擦とエネルギー損失を可能な限り低く抑えるため、16個の受け石がモジュールに追加されている。歯車だけでなく、レバーにも受け石が備えられ、石の総数は53個となっているが、これも2001年から変わっていない特徴のひとつである。
エベラールが日付ディスクをベースムーブメントに残さず、モジュールの方に統合したのは素晴らしいソリューションだ。その結果、審美性を損なうことなく、日付を文字盤の直下に配置することに成功した。これによって視認性が向上し、外観も向上している。その代償として、2時位置のスタート/ストップボタンを押すと時折、分針が飛ぶ。毎回ではないが頻繁に起こる。仮に、40回連続でボタンを押したと想定すると、40回押すのに20秒しかかかっていないのに、分針が1分近く進んでいる状況を生むことになる。このような使い方をすることは実際、ないものの、この点には2001年のテスト時にも指摘していた。
マッシュルーム型のプッシャーは見事にポリッシュされたものである。2時位置のプッシャーの方が、4時位置のものよりも抵抗感がやや強めだが、操作が困難なほどではない。文字盤のエンボス加工を再現した、ピラミッド型模様のセラミックス製インレイを持つリュウズは、回し心地が滑らかだ。
4つのサブダイアルはどれも直径が小さく、当然のことながら視認性は制限されている。左から3つについては問題ないが、スモールセコンドは判読がやや困難で、秒単位で正確な時刻合わせを行うのが難しい。先端が尖っているように見えて、よく見ると丸い4本の小さな針も、視認性が制限される要因となっている。30分積算計では問題ないが、スモールセコンドの針を読むにはルーペが必要である。サブダイアルの4本の針にロジウムメッキを施し、蓄光塗料を塗布するなど、ディテールは凝ったものだが、すべての要素が極小なので読み取りの際には注意深く観察しなければならない。
今回のテストウォッチでは、残念ながら、完全とは言い難い仕上げのディテールが見受けられた。12時のアワーインデックスが少し曲がっているというものだ。
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